長野県佐久市に信州の奇祭と呼ばれるお祭りがある。
お祭りの名前は"榊祭り"。
山から松明を持ち駆け下り、火がついたままの松明を川へ投げ込む。町を獅子が舞い、榊の神輿を大きく前後に振りあおる。”火と榊によって一切の不浄を払い浄め、五穀豊穣や無病息災を祈る”という迫力のあるお祭り。
初めてこのお祭りを体験したのは10年以上前になる。それから毎年のように見に来ている。そして今年のお盆も長野旅行。しっかりと榊祭りにも参加した。
子どもから大人へ
13時20分から佐久市望月支所でオープニングセレモニー。
続いて始まる子ども神輿。幼稚園・保育園に通う小さい子どもたち、小学生、中学生が町中を神輿とともにまわる。お囃子も子どもたちが演奏する。大人たちのサポートはもちろんあるが、夜にやる大人たちの神輿と同じことを昼間に子どもたちが行う。こうして引き継がれていくんだろうなと未来の主役たちを見守る。
台風10号が接近していたので天気予報は曇りときどき雨。にもかかわらずこの日の昼間は快晴と言ってもいいくらい晴れていてとにかく暑い。子どもたちもこの暑さので大変だろうけど、一緒についていく大人も同じように辛い。
日が沈んでからがさらにおもしろい。
山から松明を持った人たちが駆け下りる。威勢のいい掛け声とともに走る姿を初めて見たとき圧倒されたのをよく覚えている。榊祭りの一目惚れポイントのひとつだろう。
駆け下りてきたら鹿曲川にその松明を投げ入れる。写真撮影ポイントとしても有名だ。僕はカメラを手持ちで撮影していたのであまりきれいには撮れていないが、三脚を立てた本気のカメラマンたちがこの一瞬を残そうと場所取りをしている。松明が川へ投げ入れるそのオレンジの軌跡を僕もそのうち撮影してみたい。
松明のあとはメインの通りを歩きながら祭りの雰囲気を楽しむ。
空には花火、数ある屋台からお気に入りの一品を探す。民謡が流れる中踊る人たち。町をまわる獅子舞と榊神輿。見なければいけないポイントは続々と。
特に僕が好きなのは獅子舞。曲と掛け声、そして獅子舞の軽やかな動き。カッコいい。写真は撮っていないけど、動画には撮ったので見てほしい。
そして榊神輿。大きく神輿を前後に振りあおり合う。頭上の電線や信号機に榊神輿の枝があたり、壊れるんじゃないかと心配になるくらい激しい。こんな狭いところでこんなに激しいのかと驚く。これも榊祭りの一目惚れポイントだろう。
言葉で書いたところで、僕の文章力ではこの祭りの良さは伝わらない。なので簡単な動画を作ってみた。
2分半で分かる榊祭。
少しずつ撮った動画を繋げてみたので、このお祭りがどんな雰囲気か分かってもらえればうれしい。
榊祭りはいい
榊祭りは本当にいい。
若い男性が獅子舞や神輿、太鼓などの伝統的なものに力を入れて取り組んでいるのを見ると本当にカッコいいなと思う。「普段はきっと今どきの若者なんだろうな。でもお祭りとなると切り替わるんだろうな」などと勝手に想像してしまう。
単純な見た目のカッコよさもいいんだけど、伝統を引き継ぐということの良さも感じれる。例えば子ども神輿。のちの榊祭りの主役たちが子ども神輿で経験を積み、それを大人たちが見守っているのを見ると「こうして引き継がれていくんだな」と実感でき、何となく「いいな」と思った。
兎にも角にもお祭りを盛り上げてくれる人たちに感謝感謝の1日だった。来年も行けたらいいな。