まず失敗だったのが、絶賛工事中だったということ。
旧岩崎邸庭園では洋館の外壁等修復工事が2019年12月上旬までの予定で行われている。これを事前に知っていればあと1ヶ月あとに予定をずらしていたことだろう。
前向きに考えれば、この「囲いで囲われている岩崎邸を見ることができるのは今だけ」ということでもある。実際、足場がかかった旧岩崎邸は無機質さが加わって面白いし、建物南側の囲いのシートに建物がプリントされている光景は貴重な感じもした。とは言え、工事のせいで見れないものもあるわけで、結局はまた工事完了後に見に行かざるを得ない。
はじめての旧岩崎邸庭園
上野恩賜公園から歩いていける距離に旧岩崎邸庭園はある。
旧岩崎邸庭園のことは前から知ってはいたものの、なかなか足が向かうことはなかった。今回は、近くにある旧博物館動物園駅の一般公開があったため、そのついでで旧岩崎邸庭園にも寄ってみた。それがなかったら後回しになってたはず。いつでも行けるというのが足を遠のかせる。
ここには三菱財閥三代の岩崎久弥により迎賓館として使われた洋館と、主に生活の場として使われた和館、そしてビリヤードができる撞球室が現存する。元々、敷地は今よりも広く、建物も多く建っていたが、大部分が壊され売却された。とはいえ東京のど真ん中にこれだけの敷地がいまでも残っているのはとてもすごいことだ。
洋館と撞球室の設計はジョサイア・コンドル。教科書にも載っている鹿鳴館や北区にある旧古河庭園の洋館などの設計としても有名な人物。
見学は洋館の玄関から。靴を脱ぎ備え付けの袋に入れて持ち歩く。
所々にある説明文を読みながら順路に沿って歩く。オススメは1階で見れる旧岩崎邸庭園についての説明ビデオ。文を読むよりも、ビデオの説明のほうが分かりやすく頭に入っていく。この手の説明は積極的に見たほうが楽しさが倍増するのでなるべく見るようにしている。
和館は洋館とつながっている。和館はそれほど広くはないが御茶席が営業しており、抹茶や宇治金時、チーズケーキなどがいただける。
少し休憩したい気もしたが、さすがに一人では抹茶を飲む気にもなれず今回はパス。
和館を出ると靴を履き庭園へと出る。本来はこの庭園から洋館外観を眺めたかったが今回は工事中のため見れなかった。
しょうがなく庭をゆっくり歩き撞球室へ向かう。
撞球室は外観のみの公開。外壁が鱗状になっているのが印象的だった。
細かいことが分からなくてもいい
旧岩崎邸の洋館の説明を見ると、全体のスタイルや装飾がジャコビアン様式、南面ベランダはコロニアル様式、1階列柱はトスカナ式、2階列柱はイオニア式、天井の装飾や床のタイルなどの細部にイスラム風のデザインといったように、様々な様式の名前が見られる。正直、どの様式がどんなものなのかは分からない。
ただ「わぁ…、これは細かい装飾だ…」とか「なんか豪華だな」みたいな、小学生程度の感想は持てる。
僕の建物めぐりはそんな程度。何となくのカッコよさがあればいい。